檳榔とは
台湾の道路を走っているとほぼ確実に目に入るこの文字。
檳
榔
中国語でbīngláng(ビンラン)と発音、日本語ではビンロウと表記されます。
マレー語でPinangと表記し、ペナン島の地名の由来(Pinang Pulau、檳榔樹の島)になっています。
台湾で根付いている嗜好品
檳榔は台湾を含むアジア全域と一部アフリカに生育しているヤシ科の植物で、檳榔子(ビンロウジ/areca nut/betel nut)と呼ばれる種子はアレコリン(arecoline)と呼ばれる覚醒効果を有する成分が含まれ、依存性が高く台湾では噛みタバコに似た嗜好品として根付いています。
詳細は台湾の日本語学科大学生が制作した解説動画で詳しく解説されています。
2005年台湾紹介ビデオ02【檳榔ビンロウ】高苑科技大學應外系日文組
2011年台湾紹介ビデオ05【ビンロウガール】高苑科技大學應外系日文組
檳榔攤 – 檳榔を売る店
檳榔攤=檳榔を売る店は主に台湾の西側に多い傾向があります。私が台湾周遊したときは桃園~台中の幹線道路沿いに最も多くの檳榔攤があり、逆に台北を含む大都市では法規制があるため全く見かけませんでした。
便利商店(コンビニ)も食堂も無いような僻地でも檳榔屋だけはあったりと、台湾周遊中はクルマを路肩に停めて檳榔を買いその場で口に入れて噛んでいるお客様の姿を何度も見かけました。
店舗は道路沿いに何件も並んでたり一軒だけポツンと建っていたりと様々で、一面ガラス張りになっている店内で女の子が座っている外観ですぐに檳榔攤が見つかります。
昼も夜も特徴的な放射状のライトが点滅している店舗も多く、看板の文字が見えなくても遠くから一目で檳榔攤と判ります。
檳榔西施 – 檳榔を売る女の子
台湾の檳榔文化で特にインパクトの強いのが先述の動画にも登場している檳榔西施(ビンロウ売り子)です。
私が台湾周遊中に車載カメラで撮れた映像です。
檳榔西施 betelnut girl ビンロウ売り子
ガラス張りになっている店内で座面の高い椅子に檳榔西施が座って檳榔を仕込む仕事をしています。
私が撮影した動画ではスクーターの振動で見にくくなっていますが彼女達の衣装はかなり透けています。こんな女の子だけではなく上半身裸のおっさんや子守しながらのお母さんが檳榔を売っていることもあります。しかし、同じ檳榔を買うのに男共がどちらを選ぶのかといえば「やはり服が透けてる女の子のほうがいい」ということになります。
“無駄に透けた服を着た女の子が無駄な嗜好品を売る”という構図は、バイクが趣味の自分としては”無駄にお肌を晒すレースクイーンが無駄に速いバイクの横に立つ”という見慣れた組み合わせに通じるものがあり、必要性の無いヒト+必要性の無いモノのタッグは訴求効果が高いようです。
規制強化に向かう檳榔文化
台湾に根付いている檳榔文化も規制強化に向かっています。
嗜好品としての規制
酒やタバコと同様に檳榔も依存性が高いことと、発癌性があり主に喉頭癌のリスクがあることも研究機関から発表されていて、健康問題を理由に規制されたり自主的に忌避されることがあります。
栽培自体の規制
台湾農業部の発表によると、檳榔は台湾で最大の作付面積を有する農産物で、台湾を代表するバナナの農地の約2.5倍も広い土地で栽培されています。食糧よりも嗜好品のほうが台湾の限られた農地を占有している状況には一定の批判が出ています。さらに檳榔の栽培は土壌に悪影響を及ぼすことと保水力の低下で水害が発生しやすくなり、特に丘陵地帯での栽培が問題視されています。
檳榔西施の衣装に対する規制
あの衣装で公道上で商売している檳榔西施に対しては当然のごとく批判があり、店舗営業自体の法規制と共に露出の高い衣装は徐々に減っているそうです。
見た目にインパクトのある檳榔西施も今後は更にお目にかかれる機会は減っていくと言われています。興味のある方は今のうちにご自身の目で眺めたり会ったりしておくことをお勧めします。
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