[bike]宗谷岬年越しツーリング2015→2016 part4 美唄→留萌→羽幌

宗谷岬年越ツーリング2015-16

美唄

2015年12月30日 – ツーリング2日目

AM06:40頃 目覚めて窓を開けると雪が降っています。

ビュッフェで朝食

AM07:00 朝食会場の看板が立つビュッフェで朝食。
昨夜の夕食に続き期待以上の美味しさです。家族連れ客ばかりの朝食会場に男二人で黙々と食事をとります。

朝食会場の大きな窓からは朝日に照らされる美しい雪景色が広がっています。

チェックアウトして出発準備

せっかくの温泉施設でゆっくり二度寝でもして朝風呂に浸かりたいところですが、朝食後はすぐに部屋に戻り、昨夜のうちにまとめておいた荷物を廊下に出し、即チェックアウトして宿を出ます。

駐車場から眺める雲一つない青空。

荷物を積み、昨夜の転倒でダメージや不具合が無いか太陽光の下で車体を再確認します。

荷物を積み終え出発しようとした直前にリンさんの三輪車に不具合が見つかります。車体側面に装着したパニアケースのステーが雪道走行の振動で歪んでいて後輪に接触し、後輪が回転するとステーとタイヤが擦れ続けます。片方のパニアケースを外してタンデムシートに縛って固定し、歪んだステーを修正すると擦れる音は聞こえなくなりました。

出発準備が整い駐車場の端で記念撮影。

宿を出発

日没前までに出来るだけ走って距離を稼ぎたく、一通り撮影を終えたらすぐに出発します。

出発直後からハンドルを切っても車体の方向が変わりにくくて運転に難儀します。
今日も深い積雪路で走りづらいものの、昨夜のように視界が悪いままの走行よりはるかに安全で快適です。「雪中走行は視界確保が大事」という当たり前のことに気付きます。

標識は見づらいし路上のラインも完全に隠れてるしで交差点を見過ごしそうになります。
最高の雪景色であると同時にバイク人生で最高に困難な走行です。

モタモタと徐行しながら幹線道路の交差点までたどり着き「こんな(遅い)スピードで130kmか…」とため息をつきます。
今日は実走約130km先の日本海側にある羽幌に宿を予約済みです。

R12を北上。
右車線の四輪車が次々に追い越していきます。雪道を疾走するランエボの姿が映えています。

リンさんの三輪車が法廷速度上限まで加速するとあっという間に遠ざかって見えなくなります。無線が通じなくなる前に「離れ過ぎたら待っててくれ」と伝えておきます。

数km先でリンさんが待っててくれた場所でチェーンの緩みをチェック。

チェーンの緩みと外れが無いことを確認して再び北上、赤穂四十七義士之墓の看板がある交差点を左折しR12R451へ。

ここは本来であれば十分な広さの2車線道路ですが、路肩に雪が積もり過ぎて1.5車線くらいに狭くなっています。
右車線を走る四輪車と路肩の積雪に挟まれたリンさんのバイクが窮屈そうです。

途中のコンビニで休憩。
駐車場のすぐ横で除雪作業車が豪快に大量の雪をトラックに放り込んでいます。

石狩川を越える

コンビニから走り出してすぐ先の石狩川橋を通過。

橋を渡り切った場所でバイクを停め、橋の歩道を歩いて石狩川の景色を見に行きます。

川面に氷が浮いて延々と流れていく壮大な光景。
我が地元の関東ではまず見られません。

橋のすぐ近くの交差点付近にはロードヒーティングが敷設されていて、この範囲だけは路面から湯気が立つほど加熱されていてバイクでも安全に停車出来ます。

ただし、ロードヒーティングの無い凍結路面との段差が大きくて二輪は十分にスピードを落とさないと転倒しかねません。

慎重に交差点を右折しR275に入るとナビに「20km道なりです」と案内されしばらくはほぼ直進となります。

この辺りの道路は中途半端にアスファルトが見え隠れしていてグリップが変化しまくって逆に怖くなります。こんな状態よりも安定して全面凍結してる路面のほうが走りやすいくらいです。

北竜町付近で停車して写真撮影中。

自動車専用道を走る

走り出してすぐの北竜ひまわりICから深川留萌自動車道に入ります。

この道路は125cc未満の二輪車は通行出来ない自動車専用道。我々は135ccと200ccだから通行出来ます。
「一般道のように交差点も信号も無いし路面凍結で最高速50km/h規制だから、自動車専用道のほうが安全だ」と甘い考えをしていたところ、本線に合流するときに明らかに80km/hくらい出ているだろう四輪車が走り去っていきます。

本線に入ってからは、後続の四輪車が近付いてきたら路肩に避けて積極的に道を譲ることにします。

青空、雪化粧した森林が広がる山脈…ここからの景色は本当に綺麗。
バイクを停めて写真を撮りたいところですが、道路上は緊急時以外は駐停車禁止です。

途中の電光掲示板には

風速  0m
気温 -3℃
路温 -9℃

という表示。想定していたよりも暖かく無風であることが救いです。

留萌

留萌大和田ICからR233に降りて留萌市街へ進んでいきます。

寿司屋で昼食

留萌は観光客向けの寿司店が多く、この周辺で昼食をとりたい店を事前に調べてありました。地図上で近い順から寿司店に向かうと一軒目は準備中、次に向かった荒磯鮨は営業中です。

広い駐車場もあってバイクが停めやすくここで昼食をとります。

握りとか帆立とか汁物とかいろいろ注文。
こんなに安くていいのかと思うほど旨いものばかりです。

手早く食事を済ませるつもりがゆっくりしてしまい遅れ気味のPM14:50頃に出発します。

オロロンラインを北上

16時を過ぎると急激に暗くなるはずですから、明るいうちに走れるのは今から1時間程度でしょう。

羽幌市街R231から左折してオロロンラインに入ります。

稚内まで続くこの日本海沿いの道路を今日と明日にかけて走り続けることになります。

少し走ると左側に日本海が見えてきます。
ここからはほぼ海沿い北上ルートとなります。

海に近付くにつれて潮の香りが強くなってきます。海岸沿いは今まで走ってきた内陸部よりも暖かく気温も高めであることが防寒着を着ていても判ります。風もほぼ安定して海側から吹いています。

トンネルを抜けて広がる鬼泊橋からの日本海。

灰色の曇り空から降る小雪が舞い、薄い夕陽に照らされる波から飛沫が飛び散り、その中を鴎たちが悲げな鳴き声で叫びながら飛び交っています。まるで演歌の景色。

そんな景色の中でプレデターヘルメット姿のリンさんが撮影機材のセッティング中。

海と丘に挟まれたこの周辺には絶望的にガソリンスタンドが無く、燃料メーターの針が下がりきりそろそろガス欠しそうです。

道の駅でガソリン補充

道の駅おびら鰊番屋の駐車場に入り、ここで今回のツーリングで初めてガソリン携行缶からガソリンを補充します。

リンさんの三輪車はまだガソリン残量に余裕があり道の駅の建物内で待っててもらいます。
屋根下で作業したかったところですが駐車場にはどこにも屋根が無く、雪がタンクに入らないよう気をつけつつ携行缶からガソリンを注いでいきます。

雪中ツーリングにおける燃費

北海道上陸後に燃料計の減り方が驚くほど早くなったのが気になり、ツーリング終了後に環境別でおおよその燃費をツーリング終了後に計算してみると…

走行条件燃費
ノーマルタイヤで舗装路走行55~60km/L
スノータイヤで舗装路走行(北海道+本州)47km/L
スノータイヤで雪道走行(北海道のみ)44km/L
スノータイヤ+チェーンで雪道走行(北海道のみ)35km/L

ツーリング出発前はバイクの燃料タンク+ガソリン携行缶を合わせて約300km走行可能と試算していましたが、予想以上に燃費が悪く実際は220~230kmしか走れませんでした。

道の駅を出発

日没時刻のPM16:04より約20分過ぎてから道の駅を出発。
真っ暗な暗い曇り空が見える方向へ続くオロロンラインに合流します。

前を走るリンさんから「終点(羽幌)まで止まらないよ!」とノンストップ宣言。明るいうちに宿にチェックインしたかったのですが到着は真っ暗な夜になるでしょう。

走り出してすぐに見つけたガソリンスタンドはまだ16時台なのに営業終了。
思わず「この時間で閉まってるのかよ…」と嘆いてしまいます。

目的地まであと10kmくらいの辺りでリンさんの三輪車から異音が聞こえてきます。朝の出発前に修正したパニアケースのステーがまた擦れ出したのかと思ったら、三輪車の後輪のチェーンの一部が切れて車体に当る音でした。しかし走行中は切れたことに気付かずそのまま走り続けています。

PM17:00になる少し前に苫前町役場前を通過。

我が地元なら道路は渋滞、店には人だらけの時間帯でしょうが、ここでは人が外を歩いていないしクルマもほとんど走っていません。大雪と年末ということで人の動きが少ないのは分かっていても、これだけ人が少ないとちょっと怖いくらいです。

羽幌

羽幌市街を通過中、貴重な営業中のガソリンスタンドが目に入りつつも、とにかく宿に着きたくて2人で素通りします。

周囲を見回しながら旅館を探し当てます。

旅館に到着

PM17:30頃 今夜の宿 冨士屋旅館 に到着。

かつて常陸宮正仁親王殿下・華子妃殿下も御宿泊されたこともある昭和元年創業の老舗旅館。

新館と旧館があり、予約したのは旧館の和室(全室和室のみ)。

旧い木造の室内、旧字体の案内板、数十年前から飾ってあるらしき鏡や室温計。

料亭料理の夕食

荷物を簡単に片付けてから食事専用の別室に向かいます。

地元海産物をふんだんに使われた夕食。
旅館の看板に「料理料亭」と冠しているに相応しいお味です。

静かな夜の町

食事の後は大浴場で入浴。この日は宿泊客が少なく風呂は貸し切り状態です。

身体が温まったところでまた寒い屋外に出てバイクの整備と明日の準備を済ませます。
到着時は邪魔にならないよう建物の壁際に駐輪しておきましたが、「壁際ではバイクがスクラップになるほどの雪が屋根から落ちてくるかもしれない」というご主人の配慮で、旅館の正面入口にバイクを移動します。

20時を過ぎると外には人もクルマもほとんど見えなくなります。

部屋に戻ってからは荷物の整理とカメラのバッテリー充電。

窓を開けると、火の用心の鐘をカンカン響かせながら旧めの車体の消防車が旅館の前を通り過ぎていきます。

今日は早起きして丸一日を雪中走行し続けて心身共に消耗しつつも、三食全て美味しい食事ありつけて満足でもありました。

明日はいよいよ大晦日、宗谷岬で年越しを迎えます。

ツーリング動画

宗谷岬年越しツーリング [part3] 2015 →2016 日本北海道跨年機車旅遊

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