[bike]宗谷岬年越しツーリング2015→2016 part5 羽幌→オロロンライン→稚内

宗谷岬年越ツーリング2015-16

羽幌

2015年12月31日 – ツーリング3日目

AM7:00前に目覚めます。

窓の外ではヤマハ発動機の青い除雪マシンが歩道の雪を飛ばしています。

朝食まで少し時間があり、外に出てバイクに荷物を積んでおきます。

AM07:30 昨夜の夕食時と同じ部屋で朝食。

典型的な和朝食で量は少なめです。
その少なめの朝食から、リンさんが苦手な日本食メニューのとろろ・塩辛・梅干・沢庵を貰って完食します。リンさんは食べられるものがほとんどありません。食事量少な過ぎで大丈夫?

食事を終えたら部屋から荷物を出して部屋を片付けつつ忘れ物チェック。

AM08:45 冨士屋旅館を出発します。

坂になっている路面は既に除雪されています。

ガソリンスタンドで警察に包囲される

走り出してすぐに営業中のガソリンスタンドを見つけて給油の順番待ちに並びます。

順番待ちの前には北海道警察のパトカー2台が給油中。

そのパトカーに乗っていた警察官2人がリンさんを包囲して
「おはようっす!稚内まで行くのかい?」
と話しかけてきます。

しかも「今年何回目?」と聞いてくるあたり、宗谷岬年越しライダーを見慣れている様子です。給油を終えると「気ぃつけて行ってね、頑張ってね!」と言って公務に戻られました。

真冬に北海道の凍結路をバイクで走っていると警察に危険運転で取り締まられるとか厳重注意されるとか噂を聞いたことはありましたが、目の前にいる現実の警察官はこんなにのどかな対応でした。

自分のバイクと携行缶にギリギリ満タンまで給油をお願いします。

オロロンライン

ガソリンスタンドを出発し羽幌市街を抜けていきます。

今日は12月31日、すでに宗谷岬周辺でテントを設営して年越しを待っているライダーは多いはずです。我々のようにこの時間(大晦日)にこの場所(羽幌付近)にいるのはむしろ遅いくらいでしょう。

稚内まで続くオロロンラインを北へ進みます。
羽幌大橋から臨む日本海。

今日のルートのほとんどはオロロンラインを北上するだけの海沿いコース。相変わらず寒いものの極寒というほどではなく、路面は凍結していても積雪は少なめです。

強烈な海風

海からの強風が絶え間なく吹いていて、防雪柵があるのに車体は横風で不自然なくらい傾くしセンターラインを超えそうになるほど車体が持っていかれるしでスピードは出せません。

交通量は少ないものの、凍結路走行に慣れていそうな四輪車やトラックがそこそこ走っています。

後続車両が近付いたら路肩に停車して道を譲ります。

海側に防雪柵が断続的に続いています。
防雪柵があっても無くても風圧に差は感じられないほどの強風です。

まだ午前9時前なのに荒天と吹雪が絶えず矢羽根が光っています。

初山別を通過中。
海から猛烈な強風が吹きつけ暴雪柵も無い区間はバイクが斜めに傾いたまま直進していきます。

凍結路でここまで傾くとかなりの恐怖です。3つタイヤがあり安定したリンさんの三輪車でさえ傾いて倒れそうです。

途中、リンさんの特殊な撮影機材のセッティングのために停車。

しばらく走ってから撮影機材の撤収。

海岸沿いには枯れ朽ちた植物が辛うじて原形を留めています。

道の駅で緊急補修

AM10:05 道の駅 富士見に到着。
年末ということで売店とレストランは全て休業、自販機で暖かいコーヒーを買って休憩。

ついでに車体チェックをしているとチェーンを押さえる金具の一部が脱落していました。外れた部分は結束バンドで応急処置します。

すぐに道の駅を出発。
応急処置の効果が出て、ちょっと走り出しただけで後輪の安定感が急に増したことが体感出来ます。

遠別町市街を通過。
この辺りの短い時間だけ青空が覗き風も穏やかになります。

ここから先は10分も経たずに暴風雪が吹いたり青空が見えるほど晴れたりと天気が目まぐるしく変わり、天塩町付近からは雪が止んでも強風は弱まらないままです。

防風のために装着したスクリーンは北海道上陸からほぼ目的の通りに風除けとして機能してきました。しかし、オロロンラインを走り始めてからは想定以上の暴風のせいで装着部(ミラーと共締め)まで風圧を受けてしまいハンドルがブレて、むしろ走行が不安定になっています。

オトンルイ風力発電所

天塩川にかかる天塩河口大橋で一旦停車。

この橋からはあの風力発電所が遠くに見えます。

海岸線に対してほぼ垂直なこの橋は突風が車線と同じ方向で吹き続け、氷粒が路面を這うようにすごい勢いで飛んできます。

その風に向かうようにして橋を渡るとアクセル全開にしても全然加速しません。

40km/hも出せずにモタモタ走りながらオトンルイ風力発電所に到着。

春夏秋は多くのライダーが立ち寄る超定番の記念撮影スポットでも、今ここには我々2人しかいません。

とりあえずお決まりの記念撮影。

車体チェックをしてから出発。

チェーンを外すか否か

風力発電機が勢いよく回る景色を右に見つつ、それよりも気になってきたのが凍結も積雪も無いような路面です。ほぼ乾燥アスファルト上を走っています。

チェーンはもう不要な路面だけどここで外すのは面倒、でもこのまま走り続けると確実にチェーンが切れてもっと面倒なことになるかもしない、と葛藤し始めます。

あれこれ考えていると北緯45度の記念碑を通過。

ここからすぐ先に浜里パーキングシェルターがあり、この中でチェーンを外す作業を済ませることにしました。

まだ200km程度しか厳冬の北海道を走っていませんが、予想していたよりも路面状況は激しく変化し続けます。スノータイヤなら万全・スパイク必須・チェーンのほうが安全、と様々な情報はあれど、タイヤの選択肢はそれぞれメリット・デメリットがあり最善の選択はその都度変わります。

夜まで別行動

リンさんをここで長時間待たせるのも申し訳ないので別行動にして先に進んでもらうことにします。稚内まではほぼ直進のみで迷子になる心配も少なく、連絡を取りながら稚内のどこかで合流、最終的に予約済のペンションに向かう約束をします。

2日ぶりにチェーンを外しての走行は振動も減り法定速度上限までスピードが出せるようにます。

ここから先は北海道ツーリングの名所でもある果てしない直線道路が続きます。景色がほとんど変わらない前景が延々と続き距離感が麻痺してきます。


麻痺した感覚から離脱しようと、ときどき路肩に停まって周囲の景色を眺めます。

途中で250ccらしきオフ車に後ろから追い越されます。

ライダーさんが左手を大きく挙げて挨拶してくれたけど手を振り返す余裕が全然無く、申し訳ないと思いつつも無反応のまま走り続けます。

稚内

PM14:05頃稚内市に入ります。


乾燥路面→濡れた路面→積雪した凍結路と路面状況が変化し、かなりスピードを落とします。

抜海港のアザラシ

PM14:30頃 オロロンラインから道を外れて抜海港へ立ち寄ります。

この周辺はアザラシの越冬地になっていて、冬の間だけ大量のアザラシが移動してくる映像を見てから寄ってみたいと思っていました。
港を見渡しても肉眼ではほとんど見つからずビデオカメラの望遠レンズ越しでアザラシを探します。

港の所々で泳いでるアザラシと、消波ブロックに沿って寝ている数百頭のアザラシを発見します。

抜海を出発してから坂ノ下まで除雪車の真後ろを走行。
車間を空けて付いていけば路面の凸凹が少なくて非常に快適です。

坂ノ下交差点で直進し急坂を上ります。
路上の積雪が多くかなりアクセルを開けてもなかなか前に進みません。

天気が良ければこの周辺から美しい利尻富士を眺められるはずなのですが、曇っていて全く見られません。

道の駅わっかない&JR稚内駅

坂を上りきって少し進むと急に住宅や店舗が増え明らかに稚内の市街にいることが判ります。

宗谷岬と逆方向へ進み、道の駅わっかないの駐車場にバイクを停めて休憩。
走行中にリンさんから連絡があり、防波堤ドームに寄ってから宗谷岬に向かっているようです。

この道の駅にはJR稚内駅が隣接しています。
隣接、というよりは同じ建物の中で道の駅と鉄道駅がほぼ一体化しています。

ここが日本最北端の鉄道駅。
数年前に建て替えられたばかりの真っ白な駅舎はキレイで構内は広く明るく、最果て感など微塵も感じません。

防波堤ドーム

駅舎を出て時計を見ると今日の日没時刻PM15:56を過ぎています。
暗くなる前にもう一ヶ所だけ近くの観光地を見に行きます。

走り出して数分で稚内港北防波堤ドームに到着。

かつては夏の北海道ツーリングの定番キャンプ地だったこの場所も、この日はキャンプしている人は一人もいません。


夏の北海道ツーリングにほぼ毎年行ってる友達から「大事な遺跡なのに夜中に酒飲んで騒ぐ、ゴミは片付けない、焚き火して焦げ跡残す、あれはいつかキャンプ禁止になるよ」という話を聞いていたところ、数年前から本当にキャンプ禁止になったそうです。

野営禁止の張り紙。

PM16:30を過ぎて完全に夜となりLED補助灯をONにして出発。
走りながら「昼飯食うの忘れた…」と思い出して急に腹が減ってきます。

ガソリンスタンドで給油

稚内市街でまだ営業しているガソリンスタンドを見つけ2015年最後の給油。

明日は元旦、営業しているガソリンスタンドが見つからないまま数百km走ることになるかもしれません。

宗谷湾沿いの宗谷国道を直進。
道路標識は日本語・英語・ロシア語の3言語表記になっています。

市街から離れると街灯は激減、路上の矢羽根と反射板がなんとなく見える程度でほぼヘッドライトと補助灯だけが頼りにります。
進行方向左側に広がっているはずの宗谷湾は完全な暗闇、右側の暗闇の遠くには稚内空港の照明が浮かび上がっています。

ペンション到着

しばらく走ると海側に黄色い建物が見えてきて、駐車場にはリンさんの三輪車が停まっています。

今夜の宿、ペンション亜留芽利亜に到着。

準備編でも書いたとおり、宗谷岬周辺の宿は予約出来ずこのペンションの部屋を一泊二食(夕食+朝食)で予約しておきました。
稚内市街と宗谷岬のほぼ中間、宗谷岬までは実走で約13kmの距離にあります。漁師さんご一家が経営していて食事が美味いと評判だそうで、美味しい夕食と朝食が用意され、風呂に入れて、年越しの時間帯は余計な荷物を置いていけます。絶望的な悪天候でテント泊が不可能な場合はここに逃げ込むつもりです。

2階の海が見える部屋。この時間では窓の外は真っ暗で荒波と暴風雪の轟音が響いているだけです。

バイクから荷物を部屋に移動し、着替えてから1階の食堂へ。

樺太やサハリンに関する貴重な資料や書籍が並んでいます。

夕食はさすが漁師さんの豪華な海鮮。
稚内名物タコのしゃぶしゃぶもあります。

日本最北地のペンションの大晦日には外国人観光客が数組泊まっています。そういえば私も台湾人と同伴でした。

風呂に入った後は共有スペースでミカンを食べながら休憩。
テレビで紅白歌合戦が放送されていて大晦日だったことを思い出します。

外に出てバイクの撮影をしてからテント泊に必要な荷物だけを積んでおきます。
これで仮眠の後すぐに出発出来ます。

宗谷岬年越しの予定

あまり眠くないまま年越しに備えてベッドに入り仮眠を取ります。

この後の予定↓

[完了]ペンションで夕食+風呂+仮眠

PM23:00頃 キャンプ道具だけを持って宗谷岬へ移動(他の荷物は部屋に置いていく)

AM0:00 宗谷岬で年越し+テント泊

AM7:13 初日の出を拝んでからテント撤収

AM8:30頃 ペンションに戻って朝食

AM9:00頃 部屋に残した荷物を積んで出発

数時間後に起きて23時前に出発し宗谷岬で年越しを迎えます。

ツーリング動画

宗谷岬年越しツーリング [part4] 2015 →2016 日本北海道跨年機車旅遊

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