稚内(ペンション出発)
2015年12月31日 – ツーリング3日目(夜)
宗谷岬から少し離れたペンションにチェックインして食事と風呂を済ませて仮眠。
そしてPM22:30頃にリンさんに起こされて目覚め、すぐに防寒服に着替えて部屋を出ます。
共用スペースでくつろぐ外国人のお客様から変人を見るような目で見送られつつ外に出ます。
バイク自走で宗谷岬へ
バイクはメーター周辺が凍りつき車体にツララが出来るほど冷えています。それでもエンジンはセル一発始動して十分に暖機しておきます。
駐車場にはわずか数時間で新雪が積もっていてバイクはタイヤが埋もれてしまい、リンさんは三輪車を押し歩きして車道まで脱出します。
PM22:55 ペンションを出発。
ここから宗谷岬まで実走13km。走り出してすぐに今回のツーリングで最強クラスの暴風雪の中にいることに気付きます。横殴りの暴風雪がヘッドライトに照らされ、物凄い勢いで吹き付けている様子が可視化されます。
電光掲示板には「鹿の飛び出しにご注意ください」の警告。
この状況で野生の鹿が走ってるの?
我々と同じく宗谷岬方面へ向かう四輪車が時々追い越していきます。
道路標識には「宗谷岬 10km」。
まだ3kmしか走っていないことに愕然とします。
正面からの暴風雪が最高潮となりカメラのレンズが凍り始めています。
あと数kmで到着するあたりで、耐寒性能-10℃のアクションカメラがついに極寒に耐えられず録画が止まってしまいます。ツーリング中に極低温でカメラが文字通り”フリーズ”したのはこのときだけです。ヘルメットからカメラを外し前カゴのタオルの中に包みカメラ本体を雪から保護します。
宗谷岬
何回かカメラ起動に失敗し、宗谷岬に近付いた頃にようやく再起動が出来て録画を再開。何とか宗谷岬到着の瞬間はギリギリで記録出来ていました。
宗谷岬駐車場に到着
PM23:25 宗谷岬に到着。
岬の周辺は真横から雪が飛んでくる猛吹雪。
年越し宗谷岬リピーターさん曰く「これでも例年よりは多少マシ」だそうです。
関東からフェリーで北海道上陸、そしてバイク自走でついに最北端の地に辿り着いた!…みたいな達成感はほとんど感じず、とにかく無事故で辿りつけた安堵感しかありません。
「日本最北端」について
日本最北端地点の定義は諸説あり、一般的に以下3通りの解釈があります。
・日本政府が主張する日本最北端
… 択捉島カモイワッカ岬(北海道蘂取郡蘂取村、ロシアが実効支配)
・日本政府が実効支配する範囲での最北端
… 弁天島(北海道稚内市、無人の離島)
・一般人が容易に到達出来る最北端
… 宗谷岬(北海道稚内市)
ここ宗谷岬は一般の日本人(ツーリングライダー等)が到達出来る範囲内での日本最北端であり、地理的には北海道本土最北端となります。
年越し前の賑わい
そのバイクで宗谷岬に集まったライダーは、駐車場で数えてみたところ年越しの時点で60台程度と思われます。
カブ・オフ車・スクーターがほとんどで、今回はYZF-R6で来たライダーが北海道上陸直後からSNSで話題になっていました。変わった車種としてはチョイノリ・トリシティ・リンさんのAD200等。四輪車の車種は軽自動車からキャンピングカーまで様々。その他に自転車や徒歩(近隣で宿泊、バス利用)で来た人もいるようです。
バイク・自転車・徒歩組はテント泊、四輪車組はほぼ全員が車中泊です。
パトカー3台が赤色灯を回して警戒に当っています。
本当にお疲れ様です。
バス待合所の前にラーメン屋台のトラックが停まっていて無料でラーメンを配布しています。
リンさんと一緒に一杯ずつ頂きます。ごちそうさまでした。
年越しカウントダウン
年越し15分前、ライトアップされた日本最北端の地の碑。
碑のすぐ横に立っている間宮林蔵さんも寒そうです。
人が集まる前にリンさんと記念撮影を済ませます。
年越しまで10分を切り続々と人が集まり始めます。
カウントダウンに備えて三脚立てたりライブ配信を始めたりする人も。
残り1分を切ろうとする頃に打ち上げ花火が4つ立てられ着火の準備態勢。
自然発生的にカウントダウンが始まります。
10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!0!
2016年1月1日 – ツーリング4日目(年越し~日の出)
小さな打ち上げ花火4つが年越しのタイミング通りに打ち上がります。
年越し宗谷岬リピーターさんの話では
「置いただけの打ち上げ花火が倒れず、ライターで着火出来て、花火が上に飛んだのなら今回の天気は穏やかな証拠」
だそうで、これでも例年よりは穏やかな天気だそうです。
「岬にみんな集って!」という誰かの掛け声で最北端の碑に集まり記念撮影。
(ここで撮られた写真はバイク雑誌MOTOツーリングに掲載されました)
撮られる側の視点から。背中に雪が叩きつけられます。
撮影タイムを終えて解散。
このまますぐに宗谷岬を離れて稚内市街のホテルや自宅へ戻る人もいます。
指先が凍傷を起こしそうなほど体感では寒いのですが、温度計ではこの程度です。
誰もいなくなった日本最北端の地の碑。
謹賀新年!
新年快樂!
HAPPY NEW YEAR!
テント泊
駐車場の海側一帯にテントが設営されています。
空きスペースを見つけて二人がかりでテントを設営し、吹雪で飛ばされないように荷物をテント内に配置しつつ寝るスペースを確保。横になると凍った地面の冷たさがギンギンに伝わってきます。
寒さよりも暴風雪の轟音と除雪車の作業音のほうがうるさくて何度か目が覚めます。しっかり寝ておかないと昼間のバイク走行で体力がもたなくなるから何と眠りにつこうと頑張ります。
新年祝賀行事
AM06:00頃、テント外でアナウンス音声が聞こえてきて目覚めます。
稚内市長のご挨拶だったと思われ、すでに稚内市主催の新年祝賀行事が始まっています。
AM06:15 悪天候なら中止と聞いていた花火が無事盛大に打ち上げられます。
稚内市が用意した新春干支のキーホルダーと記念品の配布が始まっていて、これを目当てに長蛇の列が出来ています。家族連れの姿が多くテレビ局の取材も来ています。
稚内市職員の方から「御来光の予定時刻7:13となっております」とアナウンスされます。
初日の出
日の出直前、空を見上げると雲に覆われていて晴れることはなさそうです。
それでも展望台(大岬旧海軍望楼)には続々と人が集まってきています。
宗谷岬では元旦の朝に晴れているほうが珍しいと事前に聞いていたので御来光を拝めなくても気にしません。
そしてAM07:13。
やっぱり太陽も青空も拝めず。
展望台からは日の出を見られなかった人たちが寂しげにぞろぞろと下りてきます。
宗谷岬を出発
年越しライダーのみなさんはテントを撤収しバイクに積み込んで出発の準備をします。
我々もテントを撤収して宗谷岬を発つ準備。
ついでに元旦ということでバイクにしめ縄飾りをします。
リンさんは先にペンションに戻り私はもう少し動画撮影を続けます。
撮影の合い間に宗谷神社で初詣。
今さら雲の合間からほんのり赤い朝日が照ってきます。
宗谷岬を出発。
風もほとんどない穏やかな道路を淡々と進みます。
ペンションに戻ってから朝食をとり、部屋に残してある荷物を積んでから旭川を目指します。
ツーリング動画
宗谷岬年越しツーリング [part5] 2015 →2016 日本北海道跨年機車旅遊
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