韓国ツーリングの事前準備・出国手続・乗船についてまとめました。
(この記事は≪後編&まとめ≫(下船・韓国入国手続)に続きます)
※当記事は以下2つの条件を前提としています。
日本~韓国でバイク持込が可能なルート
日本-韓国での四輪車持込は数十年前から限定的な条件ながら可能で、2005年以降は自動二輪車も同様の手続きで持ち込めるようになりました。
日本で正規登録されたバイクを韓国へ持ち込むルートは主に以下3通りです。
航路 | 運航会社 | 条件 |
---|---|---|
下関港(日本)-釜山港(韓国) | 関釜フェリー | 125cc超 |
大阪南港(日本)-釜山港(韓国) | パンスターフェリー | 125cc超 |
博多港(日本)-釜山港(韓国) | カメリアライン | 80cc超・カルネ通関可 |
2006年の韓国ツーリングにおいて私は関釜フェリーを利用しました。
以下、当記事では関釜フェリーを利用した経験を基に解説します。
免許証・各種証明書・書類等の準備
出発前に出来るだけ早い時期から必要な免許証・各種証明書・書類等を揃えます。
種類が多く入手方法や有効期間の条件も個々に異なるため注意が必要です。
有効期限の確認
韓国ツーリングに行く時期を決めたら最初にすべきことはパスポート・運転免許証・車検証の記載事項と有効期間の確認です。記載事項の不備や有効期間が足りない場合はその変更と更新の手続きを行います。
パスポートの残存期間
パスポートは韓国渡航の場合は入国日を基準として3か月以上の残存有効期間が無いと入国が許可されません。
出発日(日本出国日)の3か月前から関釜フェリーのチケット予約が始まりますから、チケット予約開始日の時点で6か月(3か月+3か月)以上のパスポート残存期間が必要です。
パスポートは有効期間満了日の1年前から更新が出来ますので早めの手続きを済ませます。フェリー欠航等で帰国便が遅れる場合を想定して余裕のある長期の残存期間が望ましいでしょう。
※法令改正により有効期間やビザ条件等が変更になる場合があります。最新の情報は駐日韓国大使館日本語サイト等でご確認ください。
運転免許証の有効期間
運転免許証は帰国日(韓国を出国する日)より先の有効期間が必要です。
韓国国内でバイクを運転する場合は国外運転免許証(後述)が必要で、韓国国内であっても日本の運転免許証+国外運転免許証の両方が揃って有効となることがその理由です。そのため韓国ツーリングの途中で日本の運転免許証が期限切れになると無免許運転扱いになります。
運転免許証は原則として誕生日の1か月前~1か月後の2か月間です。韓国ツーリング中に期限切れになる場合は、例外的に海外旅行等を理由に1か月より前からの更新が出来ますので早めの手続きを済ませましょう。
車検証の有効期間と記載事項
車検証は帰国日(韓国を出国する翌日)より先の有効期間が必要です(251cc超のバイクを韓国に持ち込む場合)。
韓国ツーリングの途中で期限切れにならないよう早めに継続検査を受けておきましょう。継続検査は原則として満了日1か月前から受けられますが、それでは間に合わない場合は1か月前より早い時期の車検も可能です(※早期車検を受けると次回満了日も早くなります)。
その他、関釜フェリーでは車検証について以下2点の条件が求められます。
・用途に「乗用」と記載されている
・所有者欄と使用者欄の氏名が運転者(申請者)と同一
「乗用」以外の車両(緑ナンバー車等)や所有者が本人以外のディーラーやクレジット会社になっている場合は、記載内容変更の手続きをするか持ち込み自体をあきらめることになります。
125cc超250cc以下のバイクについては軽自動車届出済証が必要ですが、この書類には有効期限が無く期限切れを考慮する必要はありません。
※関釜フェリーは125cc以下(原付一種/二種)の持ち込みは受け付けていません。
フェリー往復チケット取得
パスポートと車検証の準備が整ったら次はフェリーの往復チケット取得です。
チケット手配の際にはパスポートと車検証の提示が必要です。
韓国ツーリングは「バイクを一時的に韓国に輸出しそのままの状態で日本に持ち帰れば輸入に係る関税を免除する」という一時輸出の制度を利用します。
「片道チケットだけでは一時的な輸出であることを証明出来ない」という理由で、バイク持込の渡航では関釜フェリーは片道チケットのみを販売せず往復チケットでの購入が必須となります。また、関釜フェリーから提示される運送約款には「韓国政府が定める搬出義務期間(原則として90日間)内に、日本向けに自分で搬出すること」と明記されている通り原則として出国~帰国は90日以内でのチケット予約となります。
関釜フェリーのチケットは出航日の3ヶ月前から予約開始かつ出航日の10日前で予約締切です。
バイク持ち込みの場合はネット予約が出来ません。チケットは関釜フェリー窓口で直接購入または電話予約、大手旅行代理店窓口でも購入出来ます。希望の日程で予約出来るよう早急に手配しましょう。どの方法で買っても料金は同じです。
私は近所のJTB支店窓口で希望日通りのチケットが取れました。
料金は大人1人+バイク1台料金(2等船室利用・サイドカー無の場合)で往復48000円でした(2006年時。2024年時も同額)。
各種必要書類を揃える
往復フェリーチケットを取得したらすぐに各種必要書類を揃えます。
登録証書の取得
登録証書とはバイクが日本国内で正式に車検登録されていることを証明する書類です。
※登録事項等証明書とは名称が似ているだけで全く別の書類です。
車検証が発行された同じ運輸支局でのみ取得出来ます。
発行にはパスポート・車検証(または軽自動車届出済証)・登録証書交付申請書(窓口でもらえる)・印鑑(不要な場合有り)が必要です。手数料は無料でした(2006年時)。
関釜フェリーでは登録証書について「取得日から韓国入国日までの期間が3ケ月以内」を条件としていますので要注意です。フェリー往復チケット予約の後に登録証書を取得すれば間違いありません。
登録証書はパスポートと同サイズの赤い用紙で手書き記載(2006年時)。
登録番号・登録年月日・発給申請者の氏名住所・車名・車体番号が日本語/英語で表記されます。
申請に必要な登録証書交付申請書は運輸支局窓口で入手してその場で記入して提出します(一部の運輸支局ではネットでPDFをダウンロード出来る場合があります)。
ほとんど使われない用紙のせいなのか埼玉運輸支局は年号が昭和表記のままでした。
国外運転免許証の取得
国外運転免許証は日本国内の運転免許証を所持する日本人が韓国国内でバイクを運転するために絶対必要な免許証です。発行日から1年間有効で更新制度はありません。
韓国国内であっても日本の運転免許証+国外運転免許証の両方が揃って有効となりますので、韓国の公道運転中は両方の免許証の携行が必要です。
各地の免許センターや一部警察署で発行していて、日本の運転免許証・パスポート・証明写真(国内運転免許証とサイズが違うので注意)・国外運転免許証交付申請書(発行機関窓口で受け取る)・手数料2350円(収入印紙貼付またはキャッシュレス納付、金額は変更される場合有り)が必要です。
上記全てを揃えてから出国から帰国まで紛失せず大事に携帯することになります。
下関港での出国手続き
日本出発当日、下関港国際ターミナルでの出国手続きです。
韓国ツーリングにおける日本側の移動拠点となります。
下関港国際ターミナル
山口県下関市東大和町
1丁目10−50
以下、全ての手続や移動は時間厳守・遅刻厳禁です。
ターミナル1階の出国車両専用の駐車スペースにバイクを駐車します。
乗船窓口での提出が必要な車検証はバイクから取り出しておきます。
ターミナル窓口での手続き
バイク持ち込み旅客の受付時間は15:00~15:30です。
※運航ダイヤ改正により変更される場合があります。
ターミナル2階の関釜フェリー窓口で「今日バイクを持ち込む〇〇です」とバイク持ち込みでの乗船であることを伝えます。窓口では以下の必要書類等を提出します。
・パスポート
・車検証
・登録証書
・運転免許証
・国外運転免許証
・フェリー往復チケット
・乗船申請書 ※1
・車両航送申込書 ※1
・各種料金・税の支払い(港湾施設使用料・通関手数料・国際観光旅客税・燃油サーチャージ等) ※2
※1 窓口で入手して記入するか、事前に関釜フェリー公式サイトからPDFをダウンロードして印刷・記述することも可能。
※2 原則として現金支払い、クレジットカードや電子マネーは使用不可。
提出した必要書類等の処理を終えると以下の必要書類等を受け取ります。
・乗船券(往便/復便の両方)
・入国申告書 ※1
・旅行者携帯品申告書 ※1
・健康状態質問書 ※1
・その他説明書等
※1 韓国入国時までに記入が必要。
これでフェリー窓口での手続きは完了です。次はバイク本体の通関手続きを待ちます。
バイクの通関手続きと乗船
バイクの通関手続き開始時刻は17:30です。
※運航ダイヤ改正により変更される場合があります。
出国車両専用の駐車スペースからバイクを運転して標識に従いターミナル2階へバイクを移動させます。
一時輸出入車両検査場(下関港国際ターミナル2階)
乗用の四輪車/二輪車を韓国へ持ち込む際にここで検査を受けます。
下関港職員さんと下関税関職員さんがバイクを囲んで目視、荷箱を開けて積載物を確認、口頭で「何か申告が必要なモノはありますか?」と質問され、特に問題なければ検査完了です。書類等の授受はありません。
旅客(自分)の出国手続き
バイクの通関手続きを終えたらすぐに旅客(自分)の出国審査です。
ここでまたパスポートと乗船券が必要です。
検査場にバイクを残したまま下関港職員さんに先導され歩いて出国審査ゲートへ行きます。パスポートコントロールで出国手続きを受けKAMNONスタンプが押されます。
これで出国に関わる手続きは全て完了です。
バイクと共に乗船
再び一時輸出入車両検査場に戻り、自分でバイクを運転して港内作業車に先導されフェリーの車両甲板まで誘導されます。
二輪車専用エリアは無く貨物やトレーラーの隙間にバイクを停めます。
原則フレーム固定(フレーム部分に直接ロープを引っ掛ける)で、バイク本体にしっかり固定出来ない荷物は客室へ持ち込むか受託手荷物として別途預けます。ヘルメットやジャケットをバイクに引っ掛けておくだけの積載は許可されません。
バイクが車両甲板に固定されたら客室へ移動しフェリー出港を待つのみとなります。
≪後編&まとめ≫(下船・韓国入国手続)に続きます↓
はまゆう(関釜フェリー)の紹介と簡単な乗船記もご覧ください↓
※この記事は2006年の韓国ツーリングの実体験を基にまとめた記録です。制度や金額等は随時変更されます。最新の情報はフェリー運航会社および各機関にご確認ください。
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