- 10月18日
8:00頃束草出発海岸沿いの国道をひたすら北上
- 10:00頃統一安保公園
バイクを置いてタクシーに乗り換える
- 10:30頃高城統一展望台
展望台から北朝鮮を眺める
- 13:30頃五色薬水
病気が治る湧き水を飲んでみる
- 15:00頃38度線休憩所
のどかな観光名所
- 16:00頃江陵
ソモリクッパブ横丁で夕食
束草出発
10月18日 – 韓国ツーリング12日目
8:00に起床し、前夜に買っておいたPARIS BAGUETTEのパンを朝食にしました。
やや肌寒い早朝の駐車場で荷造りしてからモーテルを出発しました。
北朝鮮国境を目指す
最初の目的地は高城統一展望台<コソントンイルチョンマンデ>。
北朝鮮を展望台から眺めることができる国境沿いの施設で、北朝鮮領地にそびえる金剛山を拝めるとあって韓国人はもとより北朝鮮出身者にも人気の場所です。
束草からはほぼ海岸沿いの国道7号を標識通りに進めばいいだけで、右側には日本海が広がっています。
高城統一展望台の英語表記はUnification Observatory
交通標識には「展望台まで22km・展望台出入申告所まで10km」と案内されています。
国境付近の地域らしく南北の緊張感を感じさせる設備が目に入ります。
国道沿いには小中規模の軍事施設が点在していて、この看板には「第5295部隊」と記載されています。
看板の矢印が指す方向には軍事施設のゲートがあり、対戦車砲と高射機関銃をこちらに向けた兵士3人がバリケード越しに私を凝視していました。さすがにカメラを向ける勇気はありませんでした(そもそも撮影禁止です)。
海岸沿いには有刺鉄線が北朝鮮国境まで続き、数百mおきに監視小屋も設置されています。
前日に何度か見た戦車止めがこの辺りでは何箇所にも設置されています。
4車線道路にはもっと大きな戦車止めが設置されていて、巨大なコンクリートの塊が道路を跨ぎ、有事の際には土台部分が爆破されて落下した巨大コンクリートが道路を塞いて北朝鮮の侵攻を防ぎます。
やたらに軍事的な緊張感を感じさせる一方、ビーチパラソルのイラストが描かれた海水浴場の看板も所々にあり、一般市民は有刺鉄線の向こう側で海水浴を楽しめる余裕はあるようです。
高城統一展望台
統一安保公園に到着
束草から30km近く北にある統一安保公園<トンイルアンポコンウォン>に到着。
公園とはいっても駐車場と事務所と小さな売店だけの簡素な場所で、高城統一展望台の約10km手前にあります。
バイクでは展望台まで行けない
まずはこの事務所で展望台に行く許可を得る手続きが必要です。
許可さえ得られれば自家用車でも観光バスでも展望台まで進めますが、ここで意外な壁に阻まれます。
『バイクでは展望台へ行けません』
理由は不明ですが事務所の職員さんからはバイクでの乗り入れ禁止を伝えられました。頼みのシャトルバスも数年前に廃止になったということで、どうしたらいいか公園内の観光案内所で相談してみると「ヒッチハイクかタクシーしかない」との回答でした。実際、ヒッチハイクで行く日本人観光客はたまにいるそうです。
今日は平日でほとんどが学校行事で来た小中学生満載のバスばかりで自家用車は少なめです。ヒッチハイクをお願い出来るあても無く、観光案内所からタクシーを呼んでいただきました。
タクシーで展望台に向かう
10分後にタクシー到着。
運転手さんに入場許可の書類も書いていただきました。
書類が受理されると一人につき一枚の入場券が発行されます。
交渉の結果、タクシー代は往復貸切40000ウォン、それに加えて入場料2000ウォンを2人分(自分+運転手さん)を支払い、バイクは駐車場に置いてタクシーに乗り込んで出発しました。
今回のツーリングで到達出来た韓国最北端はこの統一安保公園ということになりました。
途中にある民統線で韓国軍による検問を受けます。
入場券を提示するだけでパスポートは必要ありません。
緩やかなカーブが連続して戦車止めだらけの片側一車線道路をひたすら北へ進みます。
高城統一展望台に到着
高城統一展望台の駐車場に到着。
観光バスと民間車両ばかりで物々しい雰囲気はありません。
長い階段を登ると統一展望臺と掲げられた建物に辿り着きます。
入口横には三五一戦闘戦績碑と刻まれた石碑が建っていました。
建物の内外には朝鮮戦争関連の資料が展示されていました。
小さな売店にはやたらに豊富な種類の北朝鮮の酒や場違いなおもちゃが売られていました。
運転手さんには建物内でお待ちいただくことにして、再び建物外に出て一人で展望台へ向かいました。
北朝鮮を一望出来る展望台
高城統一展望台から見える北朝鮮。
韓国最北端の展望台にはFUJIFILMの屋根が設置されPOCARI SWEATの自販機が置いてありました。
遠くには金剛山が見えます。
海岸付近に小島が見える辺りが韓国/北朝鮮国境です。
この画像はガイドブックや観光パンフレットと全く同じアングルで撮影しました。
ほぼこの方向でしか撮影が許可されていないので誰が撮影しても同じような風景の画像になります。
南北統一の機運が高まった時代に建設された北朝鮮直通の道路と鉄道はあるものの、車両が走らずきれいで黒々としたアスファルト、鉄道車両が運行されず赤錆だらけのレールを見れば南北交流が単なる建前であることがよく判ります。もちろんこの一帯には無数の地雷が敷設されています。
展望台の海側にはイエス様と大仏様が慈悲に満ちた表情で北を見つめています。
北朝鮮の地下核実験から一週間少々しか経ってないのに展望台は笑いの絶えない小中学生だらけで緊張感はほとんど感じられないのどかな場所でした。
しかも10月下旬の韓国最北端だというのに暑くてセミが元気よく鳴いています。レザーパンツの下に汗をかきながら30分もかからずタクシーに戻りました。
帰路の道路両側にも河川上にも戦車止めが敷設されていました。
安保公園でタクシーを下車しました。運転手さんありがとうございました。
五色薬水
韓国最北端に到達後はひたすら南(釜山)に向かうこととなります。バイクに乗り換えて国道を南に戻り束草も通過します。
ひたすら南下する途中、国道44号へ寄り道して雪岳山国立公園の峠道を走ります。
ありがたい?湧き水
雪岳山の南側にある湧き水の名所・五色薬水<オセクヤクス>に立ち寄りました。
五色川の上流に位置していて川魚を焼く露店が並んでいます。
五色川は川底が澄んで見える美しい清流でした。
岩だらけの岸辺に一箇所だけ異様に人が群がっている場所があり、近付いてみるとそこが薬水=天然ミネラルウォーターの源泉になっていて、順番待ちでありがたい水を飲んでいました。
直径20cm程度のくり抜かれたような岩肌から細々と湧き水が出ていました。みんなで赤いカップを使いまわして飲んでいます。
私も飲んでみると、塩を入れた炭酸水のようで飲んでいいものか一瞬不安になるくらいの刺激的な味でした。韓国では病気が治る水として知られ、足場の悪い河原にもかかわらず車イスで介助されて飲みに来ている人もいました。
北緯38度線
再び国道7号に戻り南へ向かうとこんな看板が目に入ります。
38度線休憩所
よくある国道沿いの休憩所ですが名称は38度線休憩所。
北緯38度に位置するというだけであり特別な軍事設備があるわけでもなく半ば観光地化していました。
記念撮影ポイントの38度線モニュメント
台座には漢字で「平和統一」と刻まれています。
海岸沿いに有刺鉄線と監視小屋が延々と続く風景に変わりはありませんでした。
江陵
夕方くらいに着いた国鉄嶺東線の終着駅がある江陵<カンヌン>に到着しました。
今夜の宿は駅に近いモーテルに決めました。
窓を開けると江陵駅の駅舎と線路が見えます。
小さな地方都市ですが、商店街は夜になってもアパレルショップが営業していて歩く人も年齢層は低めでした。
ソモリクッパブ専門店で夕食
駅から徒歩15分ほどにある中央市場のソモリクッパブ専門店を見つけて入店します。
今夜の夕食はソモリクッパブ。牛の頭のダシがしみ込んでいて美味しいです。
ホテルの部屋に戻ると夜遅くまで列車が駅を通過する音と乗客の声が聞こえてきて心地よい雰囲気でした。このまま眠りにつきます。
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