[bike] ヤマハ YAMAHA SPARK135 整備情報

YAMAHA SPARK135

別記事で解説したSPARK135はYAMAHA Thailandが2005~2014年に生産・販売していた小型バイクです。
元オーナーの私がSPARK135を所有していた時期(2008~2017年)に記録した整備情報を記載しておきます。

以下のcontents – もくじから目的の項目をお探しください。
(携帯端末からはサイドバーのcontents – もくじからも閲覧出来ます)

SPARK135 サービスマニュアル・パーツリスト

整備に必要なサービスマニュアルとパーツリストのPDFファイルです。

公式サービスマニュアル(英語版)

初期型T135向けサービスマニュアル(PDF)です。
キャブレター仕様の車体のみを対象にした内容となっているためインジェクション仕様の車体には対応しない記述があります。

引用元 : Welcome to Hong Leong Yamaha Motor | (yamaha-motor.com.my)

公式パーツリスト(タイ語・一部英語)

SPARK135(2S51)対応パーツリスト

引用元 : YAMAHA ผู้ผลิตและจำหน่ายรถจักรยานยนต์ มอเตอร์ไซค์ชั้นนำของประเทศ | บริษัท ไทยยามาฮ่ามอเตอร์ จำกัด (yamaha-motor.co.th)

基本的な整備

外装の外し方

整備を始める前に必要な外装の外し方手順は上記のサービスマニュアルでご確認ください。

オイル交換・フィルター交換

交換時期の目安

オイル交換後から
走行約1000kmでギアチェンジの際にギアがやや入りにくくなる
走行約3000kmでアイドリングがやや不安定になる
このような変化が出やすいため走行3000km毎にオイル交換・2回に1回はフィルター交換をお勧めします。公式マニュアルでも3000km毎のオイル交換を推奨しています。

交換作業に必要なパーツ

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
5YP-E3440-00ELEMENT ASSY, OIL CLEANER 5YP1
エレメントアセンブリ,オイルクリーナ
1S7-E3440-00
5D3-13440-09
4D9-13440-00
5TA-13440-00
93210-34801O-RING
(オイルドレンプラグ用 Oリング)
無し
93210-59800O-RING
(オイルフィルターカバー用 Oリング)
無し

主な適合社外オイルフィルター
・Vesrah SF-2004
・KIJIMA 105-514(マグネット無) / 105-814(マグネット付)
・K&N KN-143

規定値

推奨オイル
・SAE 20W-40
・API SF,SG以上
・JASO MA

オイル補充量
・オイルのみ交換時     0.8L
・オイル&フィルター交換時 0.9L

締め付けトルク
・ドレンプラグ      10Nm
・フィルターカバーボルト 32Nm

作業手順

1.作業に必要なパーツ・工具・廃油処理用具を準備。

2.暖機運転でオイルを温めた後、エンジン下のドレンプラグを外しオイルを抜く。

3.ドレンプラグ・Oリング・スプリング・ストレーナーが揃っていることを確認。必要に応じてOリングも交換。

4.(フィルター同時交換の場合)エンジン右側にあるフィルターカバーを外す。

5.(フィルター同時交換の場合)フィルターとOリングを交換し、ドレンプラグとフィルターカバーを閉める。

6.エンジン右側にあるオイル給油口からオイルを規定量まで入れる。

7.エンジンを始動させオイルを一旦循環させた後にオイルレベルを確認し終了。

バッテリー交換・維持

交換時期の目安

走行頻度によりバッテリーの寿命は大きく変化しますが、目安として
セルの回転が弱くなる→早めに交換
セルが回らずキック始動しか出来なない→即交換
をお勧めします。

メインキーONにしてもヘッドライトさえ点灯しない場合は単にヒューズ切れかもしれません。
バッテリー交換より先にヒューズ確認することをお勧めします。

適合バッテリー

新車時搭載のバッテリー
GTZ5S(SIAM GS BATTERY製)

主な互換バッテリー
YTZ5S (GSユアサ製)
FTZ5S (古河電池製)
YTX4L-BS (GSユアサ製)
FTX4L-BS (古河電池製)
RBTX4L-BS (BOSCH製)

作業手順

一般的なバッテリー交換手順と全く同じです。SAPRK135の場合は交換作業中にヒューズが切れることが多いため、作業前にバッテリー横のメインヒューズを抜いておくことをお勧めします

タイヤ交換

適合タイヤサイズ

メーカー指定サイズ
[前] 60/100-17 (チューブタイプ)
[後] 80/90-17 (チューブタイプ)

※ 以下の国内市販車と同一サイズです。
[前] スーパーカブ50(AA04/AA09)
[後] スーパーカブ110(JA10/JA44/JA59)

メーカー指定外だが装着可能なサイズ
[前] 2.25-17 (チューブタイプ)
[後] 2.50-17 (チューブタイプ)

※ 2.75-17(後輪)はタイヤ幅が広過ぎて車体やスイングアームと接触する恐れがあります。

主な適合タイヤ銘柄

日本国内で正規販売されている大手タイヤメーカー製品のみを紹介します。

メーカー指定サイズ

IRC NF/NR – SPARK135の性能に対して最もバランスの取れたオンロードタイヤ
[前] NF63A 60/100-17 M/C 33P WT
[後] NR78Y 80/90-17 M/C 44P WT

DUNLOP D107 – やや性能は落ちるが安価なビジネスタイヤ
[前] 60/100-17 M/C 33P WT
[後] 80/90-17 M/C 44P WT

メーカー指定外だが装着可能なサイズ

MICHELIN CITY EXTRA – 耐久性とウェット性能が高い実用タイヤ
[前] 2.25-17 38P
[後] 2.50-17 43P または 80/90-17 50S

MICHELIN ANAKEE STREET – トレイルモデル向けアドベンチャータイヤ
[前] 2.25-17 38P
[後] 2.50-17 43P

DUNLOP S106 – 宗谷岬年越ツーリングに耐えたスノータイヤ
[前] 2.25-17 4PR
[後] 2.50-17 4PR

タイヤ選びのポイント

メーカー指定サイズのタイヤは日本では正規販売製品が少なく選択肢が限られます。
スーパーカブの一部車種とホイールサイズが完全に一致していてスーパーカブ適合タイヤも装着出来た実績があり選択肢が広がります。その他にカブ用スノータイヤやスノーチェーンも装着可能です。

ブレーキのメンテナンス

交換用パーツ

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
5YP-W0045-00BRAKE PAD KIT3C1-F5805-10
5YP-F530K-00BRAKE SHOE SET5DV-W253E-02
10B-WF53E-00

作業手順

一般的な作業手順と同じです。

ヘッドライト部分の外装を外すと前ブレーキのリザーバータンクの作業が出来ます。

ブレーキシューの残量はここから確認出来ます。

エアクリーナーエレメント交換

交換用パーツの入手方法

日本国内ではSPARK135対応の純正パーツは互換品も含めて流通していません。

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
5YP-E4450-00ELEMENT ASSY, AIR CLEANER無し

日本ではSIMOTA(台湾のバイクパーツメーカー)の社外パーツが取り寄せ対応ながら通販で購入出来る他、eBayから CryptonX(ギリシャ仕様のSPATK135)仕様のヤマハヨーロッパ純正パーツを購入出来ます。 

作業手順

1.外装(センターカウル下側)を外す

2.エアクリーナーボックスのフタを外す

3.エアクリーナーエレメントを新品に交換

4.フタと外装を装着する

チェーン交換・スプロケット交換

チェーン交換・スプロケット交換は全作業をプロの整備士に依頼しました。その際に使用した純正パーツ一覧を記載しておきます。
部品番号変更または部品自体が生産終了している場合があります。

純正チェーンはノンシールタイプで寿命が短かったため高性能シールチェーンへの交換をお勧めします。フリクションロスが少なく燃費向上となり、耐久性が高く交換頻度も減るため結果的にコスト減になりました。

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
93822-15811SPROCKET,DRIVE(15T)日本国内で入手可能(15T)
4NR-F5439-00SPROCKET,DRIVEN(39T)不明(39T)
9X568-89111CHAIN SET (DID 428,112L)サイズ428 / リンク数112

ヒューズ配置

ヒューズは2か所に配置されています。

メインヒューズ(15A) シート下のバッテリー横(1個は予備)

サブヒューズ(7.5A) フロント外装を外して前面左側(1個は予備)

クーラント交換

規定値・推奨交換時期

推奨交換時期
クーラント 1年に1回
ラジエターキャップ 2年に1回

クーラント容量
リザーバータンクのみ 0.28L
冷却系統総容量 0.62L

作業手順

1.左右の外装を外し、左側のリザーバータンクを確認

2.エンジン本体のエキパイ直下にあるドレンボルトからクーラントを抜く

3.ラジエターキャップを交換

4.ドレンボルトを締めクーラントを規定値の範囲内まで注入

プラグ交換

適合プラグ

新車時装着のスパークプラグ
NGK CPR9EA

主な互換スパークプラグ
NGK CPR9EA-9
デンソー U27EPR9

フロントフォークのオーバーホール

フロントフォークのオーバーホールは全作業をプロの整備士に依頼しました。その際に使用した純正パーツ一覧を記載しておきます。
部品番号が変更になったり部品自体が生産終了している場合があります。

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
4XC-F3144-00シール,ダスト3VP-23144-00
1T8-F3156-00クリップ,オイルシール1T8-23156-00
4XC-F3145-00オイルシール3AY-F3145-00
509-F3158-L0ガスケット509-23158-L0
278-F3181-50 ボルト,ヘキサゴンソケットヘッド 278-23181-50

リアサスペンション交換

リアサスペンション交換は全作業をプロの整備士に依頼しました。その際に使用した純正パーツ一覧を記載しておきます。
部品番号が変更になったり部品自体が生産終了している場合があります。

部品番号
(YAHAMA Thailand)
部品名称主な流用可能パーツ
(日本国内流通品)
5YP-F2210-02
(5YP-F2210-00は廃番)
SHOCK ABSORBER ASSY, REAR無し

社外品サスペンションに交換する際の要注意事項

タイのサスペンションメーカーYSSSPARK135対応リアサスペンションには自由長が205mmと210mmの2種類が揃っています。

YSSでは公式に
・205mm版 … for street(公道用)
・210mm版 … for racing(レース用)

と分類していて、205mm版はヤマハ純正品とほぼ同一の自由長となっています。
210mm版を装着すると後輪だけ車高が高くなり、サイドスタンドとセンタースタンドが相対的に短くなって安定した駐輪が困難になります。

YSSサスペンションの製品名で自由長が判別出来ます。
・205T … 205mm版
・210T … 210mm版

YSS製品は日本国内からも比較的簡単に購入出来ますが、レース用を装着すべき明確な理由が無ければ205mm版を選びましょう。


今後もご要望があれば整備情報を追記します。

※このページでは私が個人として整備またはプロの整備士に依頼した際の情報を掲載しています。

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