[bike]台湾ツーリング2009 臺灣機車旅遊 – part3 台北近郊周遊

台湾ツーリング2009
この記事(part3)の旅程
  • 9月18日
    7:30頃
    台北ホテル出発

    スクーター通勤ラッシュの中を走る
    機車専用(スクーター専用車線)を走る
    スクーター専用レーンでガソリン給油

  • 10:00頃
    陽明山國家公園
  • 11:00頃
    鄧麗君紀念公園

  • 12:00頃
    東シナ海岸

    海岸沿いを絶景ツーリング

  • 13:00頃
    基隆

    基隆港
    市場で昼食

  • 14:30頃
    九份

    九份老街を散策

  • 16:00頃
    十分老街

    平溪線の線路上を歩く

  • 17:30頃
    深坑老街

    夕食は臭豆腐

  • 18:30頃
    台北

    総統府と台北101のライトアップ

  • 19:30頃
    台北ホテル帰着

    西門にお買い物

台北ホテル出発

9月18日 – 台湾ツーリング2日目

6:00に起床してホテル内のレストランで朝食。

野菜とフルーツが美味しい洋食メインのビュッフェで、他のお客様は一人もいなくて私が一番乗りでした。

部屋に戻り、昨日買ったカーナビの動作確認をしたり撮影機材を揃えたりと準備を始めます。
今夜もこのホテルに泊まるので防水バッグと三脚は部屋に置いたままにします。

今日は延泊扱いになるため別の部屋へ移ることになり、外出中に荷物だけ移動してくれるとのこと。

7:30頃、バックパックに最小限の手荷物を入れてホテルを出ました。

ホテル前のスクーター路上駐輪区画。
昨夜まで隙間無く駐車されていた大量のスクーターは早朝では激減していました。

そこに駐輪しておいた自分の荷箱付きレンタルスクーター。

バッグパックを背負いスクーターに跨ると、荷箱がバックパックに接触してポジションが窮屈なことに気付きます。仕方なくバックパックを背中から下ろし、持ち物のほとんどを荷箱の中へ移してから出発しました。

台北の交通事情&台湾の交通ルール

平日の朝ということで通勤ラッシュで交通量はかなり多めです。
スクーターも狭い隙間を縫うようにすり抜けしていきます。

台北駅付近で一旦停車。カーナビとカメラを取り付けます。カーナビは付属の吸盤マウントでメーターに貼り付け、カメラは昨夜取り付けたRAMマウントに固定します。
カーナビがまだ中国語設定のままだったので日本語に設定し直しました。

スクーターで埋め尽くされる通勤ラッシュ

台北を離れて郊外へツーリング…の前にどうしても見てみたいものがありました。
それは台北の通勤ラッシュ

昨日は昼も夜もスクーターの量は十分多かったわけですが、朝の通勤時はもっとすごいことになっていました。

動画で見るとその交通量がよく分かります。朝8:00台の様子です。
(台北駅北側の市民大道と承德路の交差点で撮影)
scooters in Taipei (Taiwan) traffic 台湾のスクーター通勤ラッシュ

四輪車やバスが少なくてスクーターの台数だけ極端に多いのです。
バイクの大群なら日本で見慣れている私でもスクーターだけでこれだけの異常な台数は初めて見ました。

ただ見てるだけではなく一緒に走ってみました。
scooter ride in Taipei traffic jam 台北(台湾)の渋滞をスクーターで走行

実際に走行してみた感想は…
前後左右がスクーターで埋め尽くされていて急加速や急発進が出来ず単なる集団徐行と化していました。強引な追い越しや割り込みにも遭わないし、むしろこれだけの交通量なのに流れているのが驚異的です。
台湾渡航前はスクーターの暴走集団だとか無法地帯とか聞いていましたが、ただ台数が多いだけでみんな信号は守っているしスピードは遅いし誰もクラクションを鳴らさしません。混沌の中でも秩序は保たれていて特に危険というわけではありませんでした。

スクーターは二段階左折が義務

この後、市民大道を二段階左折して台北を北上します。

台湾の機車(スクーター)には二段階左折(日本における二段階右折)が義務です。
この交通規則は効率良く秀逸で、別の日に撮影した映像でまとめてみました。
台湾のスクーターは二段階左折が義務

機車専用(スクーター専用車線)と禁行機車(スクーター禁止車線)

カーナビの案内がかなり優秀で複雑な市街地を安全に走行出来ます。

カーナビには表示されていませんがスクーターは走行する車線を規制されています。

参考までに中山北路を走行中の車載動画です。
台北(中山北路)のスクーター専用車線 Taipei scooter lane

動画の中で一見して路肩のような車線は機車専用(スクーター専用車線)です。
左には禁行機車(スクーター禁止車線)がありスクーターは走行禁止で四輪車専用です。
スクーター専用車線の区別はただの白線だったりポールや縁石で区分けされていて、専用の左折レーンもあって専用の信号まで設置されています。
機車専用(または機車優先)の車線は台湾全土ほとんどの幹線道路に設定してあり、四輪車との混合交通を避けてスクーターを比較的安全に運転することが出来ます。

スクーター専用のガソリン給油レーン

市街を抜けた後、まずは給油しに加油站(ガソリンスタンド)に寄ります。カーナビの最寄施設検索で現在地から2km先にあるガソリンスタンドへ向かうことにしました。

これが台塑石油のガソリンスタンド。

本日のガソリン価格。
台湾のガソリンはオクタン価で分類され98 ・ 95 ・ 92の3種類に分かれています。

スタンド敷地内に入り給油機へ移動するとき、スタンドの端に小さな給油機が2台並んで設置され、そこに四輪車とは別にスクーターだけが集まっていることに気付きました。

そこには機車加油車道(スクーター専用の給油コーナー)があり、スクーターはここに行列を作って給油待ちをしています。

これも分かりやすい動画で。
スクーターだけに効率よく給油が出来る構造になっていて店員さんの作業もスムーズです。お客さんも慣れている様子で、ほとんどのお客さんはスクーターから降車せず給油と精算を済ませていきます。
台湾のスクーター専用ガソリンスタンド gas station for scooters in Taipei

私のレンタルスクーターは95指定で、ガイドブックで覚えた中国語でじょうしーうー!と言ってみたけど全然通じず、日本語でこれ!と95の文字を指差して何とか通じました。店員さんは笑っていました。

満タンにした場合の支払額が75元以上で礦泉水乙瓶(ミネラルウォーター1本)、150元以上で衛生紙乙包(ティッシュ1箱)をプレゼント、と書いてあります。
渡されたレシートには九五無鉛 55$と印字されていて、55元しか払ってないのにミネラルウォーター1本を頂けました。気を遣ってくれたのでしょうか?ありがとうございます。

日本で販売されている小型スクーターのほとんどはシート下やテール部分に給油口があり一旦メインキーを抜く必要がありますが、KYMCOやSYM等の台湾メーカーのスクーターはフロント周辺に給油口があり、メインキーを刺したまま左右どちらかにひねるだけでキャップが開くようになっているものがほとんどでした。
台湾メーカー製のスクーターは便利だな…とは思っていましたが、台湾国内でこんなにも便利なスクーター専用給油コーナーに対応することが理由だったのか、と納得してしまいました。

「慢」

台北の中心部から離れると漢字を何度も見かけるようになります。

」= ゆっくり走れ。
見たいものが山ほどあるのでゆっくり走るつもりです。

給油後はもたもたと仰徳大道を北へ向かいました。

陽明山國家公園

まずは台北の北側に広がる陽明山國家公園を通過します。

台北市街から30分も走ると交通量は極端に少なくなります。

10:00過ぎに陽明山國家公園の一角にある擎天崗の入口まで到達しました。
擎天崗は日本統治時代に大嶺峙牧場が開発された地域で現在も変わらず放牧が続けられています。

入り口付近にあるスクーター専用駐輪場。
身体障害者専用の駐輪スペースもあります。障害者専用スクーターが駐輪するのでしょうか?

陽明山海芋(オランダカイウ/水生カラー)の栽培地でもあり栽培農家の看板があちこちに立っています。海芋の開花シーズンは春頃なので今日(9月)は花が全く咲いていませんでした。

他に走っている車両がほとんどいない連續灣路を北上していきます。

ツーリングには最高の道路と景色で、途中で何度も停車してこの景色を撮影しまくって予定通りに先へ進めません。

鄧麗君紀念公園

途中から幹線道路から外れて裏道に入ってみます。

農村の小道をゆっくりと走り抜けます。

上り坂を登ってみると道端からは海が見えました。

しばらく進むとこれから行く場所の標識を発見。

目的地に進む途中で見えてくる金寶山安樂園
ここから見渡すと住宅地のように見えます。

10分後に着いたその金寶山安樂園は富裕層向けの霊園でした。
住宅に見えたのは墓地で、一つ一つのお墓が小さな家のようです。

その広大な霊園の一角にある鄧麗君紀念公園
本日最初の目的地に11:00頃到着です。

鄧麗君紀念公園=テレサ・テンのお墓。
やっと会えました。

公園中央には巨大なピアノ鍵盤が設置されています。

私はテレサの全盛期をよく知ず、彼女の死後にようやく歌を聴くようになりました。子供の頃には分からなかった歌詞の意味を理解出来るようになったことと、日本と中華圏に限らずアジア全域でテレサの歌が広まっていることも知り、私の中でテレサは絶大な影響力のあるアジアの歌姫というイメージが出来上がっていました。
こうしてテレサの祖国を旅することになり一体どれだけ立派な墓地なのだろう?と興味があって来てみました。個人の墓としては広大ですが、観光客で大賑わいとは程遠くテレサの歌声が響き渡る静かな空間でした。

“再見我的愛人”のライブ音源が控えめな音量で流れる中、テレサは祖国の北海岸を見下ろす丘で静かに眠っていました。

基隆

金山の街並を眺めつつ急な下り坂を下っていく途中で思わず停車して撮ったバイク。

海に向かって進むと片道2車線の道路に出ました。
ガイドブックにも載っていた有名な基隆淡水という地名が路上に並んでいます。

ここは基隆方面へ向かいます。

東シナ海を望む絶景道路

12:00頃、海岸沿いの2車線道路(台2線・基金公路)に出ます。
東シナ海を望む絶景。ここから1000km以上先に日本の九州があります。

西濱公路観海休憩歩道の途中にある獅子公園で停車すると…

台湾に来て初めて大型バイクを発見しました。

台湾の重型機車(大型バイク)は前後2か所にナンバープレート設置義務があります。

アルファベット2桁+数字2桁だけで台湾中の大型マシンのナンバー割り当てが足りてしまうとは登録台数は相当少ないのでしょうか。このオーナーさんからいろいろ話を聞きたかったところですが残念ながら結局会えませんでした。

公園を出発してすぐに北部の港町・基隆市内に入ります。

基隆港

台湾の重要な海運拠点である基隆港を目指します。

基隆港は当時の欧米列強や清朝の支配を受けつつ、日本統治時代には大規模な整備が行われ現在も貿易や軍港としての拠点を維持しています。

13:00頃に基隆港に到着しました。
貨物船やフェリーの他、台湾海軍や海岸巡防署の船も停泊していました。

日本と基隆を結ぶ旅客フェリーは現在運休中で、アジア各国を巡るクルーズ船が日本とここ基隆に停泊することがときどきあるだけです。

港の市場で昼食

昼過ぎになり、港からすぐ近くの愛一路の端にある商店街にスクーターを停め食事出来る場所を探します。

雑多な市場には海鮮やフルーツが並んでいました。いい雰囲気です。

建物の2階で見つけた店で猪腸粿仔湯を注文して昼食。
食べ過ぎない程度の丁度いい量でした。

九份

昼食後はナビに次の目的地・九份を入力して出発します。

九份はかつて金鉱の街として栄えた後に衰退していましたが、映画『悲情城市』の舞台にもなり現在は観光地として人気のエリアです。日本では『千と千尋の神隠し』のモデルになった街としてのほうが有名です。

障害者専用スクーターを発見

九份に向かう途中、見たこともない魔改造スクーターを見つけました。
即停車して見入ってしまします。

後ろから見るとその用途が分かります。車椅子のまま乗り込んで運転出来る障害者専用スクーターでした。今朝陽明山國家公園でみた障害者専用駐輪スペースはこんな車両のために用意されているわけですか。
私が撮影しまくっているとスクーターに乗るご本人が車椅子で乗り込み走り去っていきました。

進むにつれて道はどんどん狭く急な上り坂になり、非力なスクーターではスピードが出しにくくなります。

かなり高所まで登ってきたおかげで景色は最高です。

狭い道路にそぐわないほど交通量が増えてきた辺りで有料駐輪場を見つけて停車しました。

九份老街

14:30頃、駐輪場から徒歩で九份の入り口に到着。
コンビニ横の狭くて目立たない路地から九份老街へ入っていきます。

ガイドブックで下調べしたときは寂れた静かな雰囲気かと思い込んでいましたが、実際には世界各国からの観光客でごった返して賑やかです。細い路地と階段が入り組んでいてどこを歩いてるか分からなくなります。こんな観光名所の細い路地でも平気でスクーターが往来していました。

みんなが撮影したがるお約束の「阿妹茶酒館前の急階段」。

その阿妹茶酒館は満席で中に入れませんでした。

十分老街

九份から台北方面へ戻る道が観光客を乗せたタクシーやバスで混雑する中、次の目的地へ向かいます。途中、妙に人慣れしている野犬の群れに絡まれました。

16:00頃、 カーナビの案内通りに狭い小道を進んでいくといきなり線路が見えてきます。

十分老街(台湾) Shihfen st. in Taiwan

すぐにここが十分老街だと判ります。

商店街のど真ん中を線路が貫いて、線路には柵も建てられず人が自由に線路上を行き来しています。この線路は廃線ではなく平溪線が毎日運行している現役の路線です。

ポイントの向こう側には十分站(十分駅)が見えます。
しかもこのポイントは手動切替でした。

平溪線は車窓からの景色を眺めつつ途中下車して沿線を散策しながら鉄道の旅を味わえるローカル線で、ここ十分にはスクーターで来るよりも列車に乗って来るほうが楽しめる気がしました。

列車が通過する瞬間を見てみたかったのですが、運行時刻が合わず見られそうにありません。後ろ髪引かれつつ十分を後にしました。 

深坑老街

夕日が山の緑を照らす景色を横目に見つつ台北へ戻っていきます。

このまま台北へ戻る前に、17:30頃に夕食目当てで深坑に立ち寄りました。

豆腐料理店が並ぶ深坑老街をスクーターで通過します。人が多くてスクーターで走ってよかったのか迷いましたが、他のスクーターやトラックも狭い路地をゆっくり進んでいきます。
深坑老街(台湾) Shenkeng st. Taiwan

狭い駐輪場にスクーターを突っ込んで今夜の食事を探しに行きます。

全然臭くなかった臭豆腐

豆腐の街・深坑での夕食はもちろん名物の臭豆腐です。

「臭い豆腐」という日本人でも分かりやすい名前の料理で、世界一臭い料理ランキングでも常連の台湾を代表する料理です。それでも目の前にある臭豆腐は全然臭くありません。夜になりやや冷えてきた身体に染み渡る温かい臭豆腐を堪能します。

照明で明るい深坑老街を出発する頃には日は沈みかけていました。

台北に戻る

道案内はナビに任せて運転に集中し台北を目指します。渋滞の市街地よりもスピードの出る郊外の夜間走行のほうが危険に感じつつ、どこを走ってるのか分からないうちに台北市街の渋滞に突入していました。

通り道で見えた夜の総統府台北101
101は大き過ぎて画像一枚に収まりません。

ホテル帰着→すぐに西門へ

ホテル付近の駐輪スペースが見つからず10分ほど順番待ちをして何とか停める場所を確保。台北市街はだいたい駐輪スペース確保競争に巻き込まれます。

19:30頃、一旦ホテルに荷物を置きに戻るとダブルルームに移動となっていました。

荷物を置いただけですぐに外出し今夜も徒歩3分の西門へ。

屋台で買った愛玉加檸檬
台北牛乳大王蔓越莓優酪乳芋頭牛乳
今日一日分の水分補給です。

ホテルに戻ってから地図とガイドブックで明日行きたい場所や予定ルートをチェックしつつ、今夜のうちにカーナビに地点登録を済ませておきます。ドリンク3杯はすぐに飲み干してしまいました。

今日は陽明山→鄧麗君紀念公園→基隆→東シナ海岸→基隆港→九份老街→十分老街→深坑老街→夜の101&総統府と、台湾で初めてのツーリングとしては定番観光地を一日で順調に巡ることが出来てなかなか満足度の高い日帰り旅となりました。

台湾での交通ルールもだいたい掴めてきたところで、明日から台北を離れ台湾一周が始ります。

ツーリング動画

[2/8] 台湾ツーリング2009(2日目) 臺灣機車旅遊2009

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