[bike]台湾ツーリング2009 臺灣機車旅遊 – part8 花蓮→太魯閣→台北

台湾ツーリング2009
この記事(part8)の旅程
  • 9月23日
    7:00頃
    花蓮出発

    七星潭
    壁の外から見た花蓮機場と花蓮空軍基地
    地元警察の取り締まりを受ける

  • 8:30頃
    太魯閣國家公園

    岸壁剥きだしの渓谷を進む
    天祥で折り返し
    九曲洞で素掘りトンネル見学

  • 10:30頃
    蘇花公路

    海岸沿いの断崖絶壁道路を走る
    豪雨の中で山道を越える

  • 16:30頃
    台北

    レンタルスクーター返却
    圓山大飯店にチェックイン
    台北101展望台からの台北の夜景
    台北君悦大飯店で夕食
    士林夜市へお出かけ

花蓮出発

9月23日 – 台湾ツーリング7日目

早朝の静粛な花蓮
今日中に台北に戻りたいために早起きです。

朝食ビュッフェは豆漿と油條があってちょっとうれしい。

ゆっくりしていられず7:00にはチェックアウトしてホテルを出発しました。

高校生の通学ラッシュと平行しながら海沿いの道へ走っていきます。
高校生の皆さんが乗る自転車はほとんどがGIANTだったのはさすが台湾。

七星潭

花蓮市街から20分程度で七星潭に到着。
花蓮市の海岸沿いにあります。

「七星」は北斗七星、「潭」は台湾においては池や湖等を表す地名に使われる言葉で、かつてこの海岸の内陸側に北斗七星のような形をした池がありました。
日本統治時代に当時の日本政府がその池の一部を埋め立てて花蓮空港を建設し池は消滅しましたが、現在もその名残で「七星潭」と呼ばれています。

海岸風景特定区と称するだけあって朝から観光客も大勢集まっています。
湾のように囲まれた海岸は砂浜ではなく暗い色の砂利で、青い海と白い波とのコントラストがとてもきれいです。

花蓮機場と花蓮空軍基地

ここに来た目的はもう一つあり、この海岸のすぐ内陸側にある花蓮空港での航空機離発着を見るためです。この空港にはほぼ同じ敷地内に花蓮機場(民間空港)と花蓮空軍基地がある軍民共同施設で、民間航空機と戦闘機の滑走路が隣り合わせになっています。

残念ながらこの日は民間航空機や戦闘機の離発着は見られませんでしたが、空港や基地の一部はすぐ近くで見ることが出来ました。

滑走路が海に近過ぎるため誘導灯が空港敷地外の海岸に設置されています。

空港の壁は有刺鉄線で囲まれ所々に監視小屋があります。

この壁の向こうにはバンカーに隠されたF-16や迎撃ミサイルが目視出来ます。

戦闘機を撮影したくりますが、台湾では軍事施設の撮影は禁止され取締対象となります。

台湾では、軍事施設の写真撮影が禁止されており、有期懲役の罰則のほか、撮影に使用したカメラ等を没収することができる旨の規定があります。過去には、花蓮空港で写真を撮っていた日本人が戦闘機を撮影したのではないかと疑われ、警察から事情聴取を受けた例があります。

引用元 : 外務省 海外安全ホームページ 台湾|安全対策基礎データ|滞在時の留意事項

基地内でも兵士がスクーターで走り回ってる姿が見えました。

七星潭から北へ向かいます。

地元警察の取り締まりを受ける

T字路を信号に従って二段階左折すると、そこに立つPOLICEと書かれた服のおじさんに進路を塞がれました。
台湾で初めての警察による取り締まりです。

何の違反?言葉が通じず免許証・翻訳文・パスポートの3点セットを無言で手渡します。さあどんな取締を受けるのかとワクワクしているのに

「ずーぺんれん!うっはっはっは!」(日本人か!うっはっは!)
「Go!Go!サヨナラ!」

日本人と判るや笑って「行け!さよなら!」。
台湾の交通取締を実体験出来るチャンスだったのに停められた理由は結局分からずじまいでした。

太魯閣國家公園

今から台湾最大の景勝地太魯閣へ向かいます。

そこへ向かう道路。
四輪車専用車線の右には機車専用(スクーター専用車線)と自行車専用(自転車専用車線)

この先で自転車専用”車線”は消えてしまい、自転車専用”道路”が別ルートで整備されていました。

ここから先は中部橫貫公路太魯閣の峡谷へ進んでいきます。

幅広い立霧渓の流れに沿って、緑の多い山肌に囲まれる道路。

山肌からは大領の地下水が流れ出しています。

さらに進むと緑は徐々に減りほぼ垂直の岩肌に変化していきます。
道路横には幅の狭い渓流になっていきます。

断崖絶壁の一部をくり抜いただけの細い道路で、このまま岩が崩れてきたらまず助かりません。

天祥

やがて道幅が広くなり見晴らしが良くなったところで天祥に到着。

ここにはバスターミナルがあり観光客が見るべきところは売店以外は特に無く、天祥は周辺の寺院散策やハイキングの拠点となっています。

犬の店番がいる売店で天祥名物の文旦を買ってその場で食べます。

バス時刻表。定期便はこれだけです。
バス停で待つお客さん(なぜか100%欧米人)は退屈そうでした。

この先にも行きたいところですが時間が無く、天祥で折り返して来た道を下っていきます。
車高の高い観光バスが岩壁との接触を避けるかのように慎重に運転していて常に徐行運転です。

九曲洞

途中、歩いて素掘りトンネルを見学出来る九曲洞に寄ります。

自分のヘルメットを脱いでから見学者用ヘルメットを借りて被ります。

人力で掘られた素掘りのトンネルは、間近で見ると本当に巨大な一枚岩だということが判ります。

落石は人間の身体より大きいものだらけでした。
これじゃヘルメット被ってても意味無いかも。

団体観光客はこのまま歩けば先の出口で観光バスが待っています。
私は途中で引き返してスクーター駐輪場に戻りました。

カーナビの目的地を台北に設定すると、いよいよツーリングの終わりが見えてきました。

蘇花公路

花蓮から蘇澳を結ぶ海岸沿いを通る蘇花公路に出ます。

今まで走ってきた海岸沿い道路と違ってやたらと標高が高く、カーナビの高度表示を見ると常に100m以上、高いところで約300mはあります。路肩の縁石が低くてコースアウトしたら即転落して自分もスクーターもバラバラになること必至です。

ダイナミックな絶景で最初は感動の連続、しばらく走ってると恐怖の連続になっていきました。
センターラインをはみ出す四輪車が多くて更に恐怖が増します。

交通規制でしばらく待機

それまで順調に走ってきたところに突然渋滞が始まりました。
恐怖感から解放されむしろホッとします。

この渋滞は微動だにしません。
四輪車の運転手さんはエンジンを切ってあきらめ顔、観光バスのお客さんもグッタリしている姿が見えます。

ここは延々とすり抜けて前へゆっくり進みます。スクーターの旅で助かりました。

渋滞の先頭に出ると、トンネルの先で工事をしていて対面通行中でした。
15分おきの交互通行で待ち時間が長いようです。

写真を撮っていると斜め後ろからスクーターが近付いてきてHello!と挨拶。
誰?と思ったら2日前に南回公路の分岐で道を教えてもらった台湾人と偶然の再会でした。
私より遠回りしたはずなのにペース早くないか?会話する暇もなく通行規制解除となり彼はダッシュで走り去り見えなくなっていきました。あのペースじゃ早いはずだ。

途中のドライブインで休憩し、ガソリンスタンドで給油。

その後は交通の流れが穏やかになり気持ちに余裕が出来てきました。

途中で停車して海を眺めてみると、飽きるほど見てるはずなのにやっぱりきれいです。

豪雨の中を台北へ

海を見ていると空が急に暗くなっている様子が判ります。

予感した通り小雨が降ってきました。
台湾人は手馴れていてあっという間にカッパを着込みます。中には信号待ち中に爆速で着替えを済ませる人もいました。

私は路肩で停車しもたもたと雨具を着込み、カーナビも即席で雨対策します。

防水仕様の動画用デジカメはそのまま使い、撮影だけは続けながらますます大降りの中を走り続けました。

雨は止みそうになく撮影はほとんどあきらめて先へ進みます。

すぐに水溜りが出来るほど雨が強まりあっという間に豪雨になりました。

養殖場のど真ん中で大粒の雨に叩かれながら今後の時間配分を考えます。

当初の計画では「スクーターでホテルにチェックイン→荷物を置いてスクーター返却→タクシーで台北101へ行き夕陽を眺める」
しかし、現在地から台北まで実走70km、途中は山道ばかりで絶対に時間がかかると判断して予定を変更し「荷物を降ろしてスクーター返却→タクシーでホテルにチェックイン→荷物を置いてタクシーで台北101へ行き夜景を眺める」台北101展望台から日没の瞬間を眺めたかったが間に合う訳がなく夕陽は早々に諦めました。

いずれにせよこの雨では景色そのものが期待出来ず、レンタルスクーターも返却時刻から遅れたら延滞料を払えばいいやと思っていました。

ここから台北へ行くには山を一つ越えなければならず、その山間のクネクネした道を走っていきます。
ブレーキが効きにくいほど滑りやすい坂道の途中、数台のスクーターが停車して雨宿りしています。地元の人たちでさえ走るのをあきらめているくらいで、私もミラーに四輪車が写ったらさっさと路肩に停止して道を譲りました。

途中、急カーブのガードレールに吊るされたTriumphの言葉に励まされます。

細い一般道から見える高速道路。
こんなときだけは高速道路に乗って一気に駆け抜けたくなります。

豪雨の中を走り続けて約2時間、ようやくの雨の勢いが落ち着き路面も乾いてきました。
完全に止んで青空が見え、サウナスーツのごとく暑い雨具を脱ぎます。

台北

気付かないうちに台北の市境を越え、スクーターの数がみるみる増えていきます。
台北中心部に近付いてるのが分かります。

市民大道から承徳路へ右折し6日ぶりにレンタルスクーター店に戻ってきました。

レンタルスクーター返却

店の近くの路肩でRAMマウント・ナビ・荷箱を急いで外し、手荷物も全部降ろします。

原状回復した機車。

走行距離約1000km、故障も事故も無く台湾全土を走り抜けた良き旅の友でした。謝謝。
店のおばちゃんはエンジン始動の確認をしただけで「OK!」と一言残して店の奥に消えていきました。時刻は16:30過ぎ。返却予定時刻の17:00にギリギリ間に合いました。

店の前でタクシーを捕まえ、ここへ行ってくれ!とホテルの予約票を見せます。

ここでホテル名が英語でGRANDとしか書かれてないことに気付きました。これではどこのホテルか分かりません。ガイドブックのふりがなを思いっきり日本語読みで「ゆえんしゃんだーふぁんてぃえん」と言ってみると運転手さんは「おー圓山大飯店!」。なんとか通じたようです。

運転手さんはTVを見つつ檳榔を噛みながらたぶん安全運転でホテルへ向かいます。

圓山大飯店

17:00頃に圓山大飯店に到着。
おそらく台北で最も目立つホテル。

このいかにもな台湾らしい外観がたまりません。
この外観を見て絶対に泊まりたいと思い事前に予約しておきました。

チャイナドレスの女性が立つ出入口からロビーへ入っていきます。
このいかにもな台湾らしい内装がたまりません。

登記檯(レセプション)で予約票を提示します。
ホテルを目の前にしたら予約が取れなかったCityViewRoom=バルコニー付きの部屋に泊まりたくなり、「CityViewに空室があるならアップグレードしてほしい」とリクエストしたら「お客様のお部屋にはバルコニーがございます」でした。

やたらと長い廊下を歩いて部屋へ向かいます。

今夜泊まるシングルルーム。

圓山大飯店オリジナルのアメニティが揃っています。

真っ赤なバルコニーは思っていた以上に広く、ここから台北の街を一望出来ます。

私が泊まる部屋からは市街の北側が見えます。
台湾ツーリング最後の夕陽はこのバルコニーから眺ることになりました。

豪雨でずぶ濡れのブーツをバスルームのシャワーで水洗いしてから豪華なバルコニーで干します。

このままゆっくりもせず、シャワー浴びて歯を磨いて着替えてすぐに外出です。

ホテルのベルスタッフに行先を伝え、手配していただいたタクシーで信義区方面へ。

スクーターを運転していては見えない景色も見えてきて車窓を眺めるのもまた新鮮でした。

台北101

18:30を過ぎて日も落ち、夜の台北101に到着しました。

5階のチケット売り場で展望台入場券を購入。

専用エレベーター乗り場の行列で待つこと10分、東芝製の超高速エレベーターで89階へ直行です。
本当に超高速で上昇し、しかも気圧が制御されていて耳が痛くなりませんでした。

あっという間に89階の屋内展望台に到着しました。

台北の夜景が360度で広がっています。

エレベーター到着→お客さんが窓際へ→各国語で「うわー!きれー!!すごーい!!!」→写真撮る→
(最初に戻る)、展望台はこの繰り返しでした。

台北101は2004年に世界一高いビルとして竣工しましたが2007年にブルジュ・ハリファ(ドバイ)が世界一になりました。しかしそんな順位はどうでもよく、世界で何番目だろうがこの台北の絶景を眺められるのはここ台北101だけなのです。ここに来る前は夕陽も見たかったと思っていましたがこれほどの絶景なら大満足です。

いかにもなお土産もここで販売されていました。

階段を上ると91階の屋外展望台に出られます。

柵の向こうに同じ夜景。
ここでは見づらくてうまく撮影出来ません。

上を見上げると建物の先端がすぐそこにあります。

ここからまた階段を下って88階へ。

ここにはマスダンパーと呼ばれる制振装置があり、巨大な球体の実物が一般公開されていました。

ここからエレベーターに乗り5階へ下りました。 

台北君悦大飯店で夕食

台北101から徒歩10分の台北君悦大飯店(グランドハイアット台北)へ。
台湾ツーリング最後の夕食は凱菲屋Caféでビュッフェとなりました。

轟音の響くキッチンで腹いっぱいになりました。

夕食後はタクシーで一旦ホテルに戻りました。
ホテル内のバーは21:00閉店、タクシーで近隣のホテルも巡ってみたところやはり閉店でした。

士林夜市

それならばとホテルから歩いて行ける士林夜市へお出かけしました。

食べ物の屋台よりも服飾関連のショップが多く、この時間でもまだ混雑しています。

既にお腹いっぱいだったので甘蕉汁を一杯だけ持ち帰りました。

あてもなく夜市を徘徊してから、歩くのが面倒になりすぐそこのホテルまでタクシーで戻りました。

バイク旅の不安と緊張から開放された安堵感で満たされた一方、明日帰国しなくてはならない寂しさもあり複雑な心境です。どんな気持ちだろうと身体はグッタリ疲れていることに変わりは無く、広いベッドに入った瞬間眠りにつきました。

ツーリング動画

[7/8] 台湾ツーリング2009(7日目) 臺灣機車旅遊2009

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